月別アーカイブ: 2021年1月

「BOPIS」が近年注目される理由は?コロナ禍での消費者ニーズを踏まえて、メリットや事例をご紹介します。

Last Updated on 2021年9月7日 by art-mylogi

「BOPIS」という言葉をご存じでしょうか。あまり聞き慣れない言葉ですが、今後、小売業界や配送業界においては、キーワードとなってくると考えられます。今回は、BOPISについてのメリットや事例を、アフターコロナの日常を踏まえてご紹介します。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、
売上改善や業務改善などのコンサルティングを手掛けている。

BOPISとは?

BOPISの読み方は?

BOPISの読み方は「ボピス」です。BOPISは、「Buy Online Pick-up In Store」を略した言葉で、簡単に言うとオンラインで買った商品を店舗で受け取れる仕組みのことです。年々拡大するEC市場では、効率化や人々の需要に合わせて、多くの新しいサービスやソリューションが開発されています。BOPISもその内のひとつで、従来のような自宅への配送だと都合の悪い人へのサービスです。

コロナ禍で注目されるBOPIS

BOPISは、荷物の配達を家で待つのが煩わしい人や、家と職場の行き来の間で受け取りをしたい人などをターゲットに、いくつかの企業がサービスを開始しています。

コロナ禍の巣ごもり需要で、さらにオンラインチャネルの利用が増えた現在では、配送方法にも「置き配」や「サイン不要」などのバリエーションが生まれました。外での購買が減ったコロナ禍で、BOPISは顧客にとっては買い物時間の短縮になり、事業者にとっては顧客が店舗に訪れる機会や時間を増やしてくれるため、双方から意欲的な視線が向けられています。

これからのアフターコロナの時代においても、活躍していきそうなBOPISですが、まだまだ利用率は5.7%と低いです。(2020年株式会社バルク調べ)

BOPISのメリット

お客様からのメリット

①ネットショッピング感覚!なのに送料がかからない!

購入自体はオンラインチャネルで行うため、商品検索やレビューの閲覧などが行えます。お店に行ったら売り切れ、なんてこともありません。自宅に届けてもらうわけではなく自分で取りに行くため、送料はかかりません。

②自分の好きなタイミングで商品を受け取れる

自宅配送の不便な点は、いつ来るかわからない配達を、自宅で待たなければならなかったことです。BOPISを利用すれば、都合の付く時間まで店舗で保管してもらえ、仕事帰りなどの隙間時間での受け取りも可能になります。

③シームレスな買い物が可能

店舗とオンラインを組み合わせて使うことができるので、例えば、オンラインで在庫の有無を確認してから買いに行ったり、受け取り時に不備があればその場で返品ができたりと、実店舗のみやECサイトのみの利用よりも使い勝手が良いです。

事業者にとってのメリット

①顧客のユーザビリティ上昇

なんといっても、BOPISは利用顧客にとってメリットが多いです。顧客のニーズに対応していくことで顧客満足が高まり、リピート率上昇や、競合との差別化にもつながります。

②配送コストの減少

注文一つ一つを倉庫から各自宅へ配送するよりも、倉庫からまとめていくつかの店舗への配送となるので、コストや工数の削減に繋がります。また、注文商品の在庫が届け先店舗にあれば、配送は不要になるのもメリットです。

③お客様の来店機会を増やせる

これは、コロナ禍でBOPISが注目されている大きな理由といえます。外出自粛で客足が遠のいた店舗に、お客様が来店するきっかけになるからです。ここから、他の商品も目に入れてもらい、いわゆる「ついで買い」などに繋げて、売上やお客様の滞在時間を伸ばせるのがBOPIS最大のメリットです。

BOPISに必要なこと

BOPISを自社で取り組むには、まず実店舗とECサイトの二つ以上のチャネルが必要になります。

また、在庫データを統括して管理するシステムも必須です。それらがそろった後も、ピッキングや配送指示を素早くすますオペレーションが必要になってきます。

システム構築が既にできていて、ECと店舗のシームレス化が済んでいる事業であれば、これからBOPISに取り組んでみてはいかがでしょうか。

BOPIS海外の事例

2019年のICSC(国際ショッピングセンター協会)の発表によると、米国でのBOPIS利用者は成人の半数を超えるようです。また、そのうちの61%もの人がリピート利用をしています。この数字は、日本におけるBOPIS利用率に比べても大分高いですね。米国の利用率の高さの背景として、BOPIS導入事例を見てみましょう。

参照:ICSC「ICSC Finds Over Half of Online Shoppers Use Click-and-Collect

Walmart

Amazonのライバルで有り、リアル店舗に強みを持つウォルマートでは、2015年から、EC分やの強化に力を入れ、BOPISの先駆けとして、「クリックアンドコレクト」という取り組みを行っていました。その利便性から急増したBOPIS利用客に、従業員による受け渡しでは対処しきれず、受け渡し業務は次第に人の手からピックアップ用のロッカーへと移っていきました。ウォルマートでは、巨大な「ピックアップロッカー」を全店に設置することを現在の目標としています。

Starbucks

細かい注文が可能で人気のスターバックスですが、こちらも2017年からオンラインチャネルの強化を掲げています。モバイル注文や決済が可能となり、待ち時間短縮や、カスタマイズも口頭での注文よりわかりやすいなどのメリットがあり、ついにBOPISでの売上が、売上総額の11%に上りました。2019年からは、都内のいくつかのスターバックスでも、「モバイルオーダー&ペイ」としてサービスが開始されています。

 

このように、アメリカでは少し前からBOPISの普及が始まっていたようです。国土の広さから、BOPISによる配送コストの削減は、日本よりも大きなメリットであったと考えられます。また、新しいソリューションに素早く適応している企業の姿も多くうかがえます。

BOPIS日本の事例

日本でも、家電業界や家具業界など、いくつかの企業でBOPISのサービスが提供されています。

ヨドバシカメラ

多くの店舗数を誇るヨドバシカメラの店舗受け取りサービスでは、受け取り希望店舗に在庫がある場合、30分以内での商品提供を行っています。また、その他店舗に在庫がある場合には取り寄せが可能であり、一部店舗では24時間受け取り可能となっています。

ニトリ

専用のECサイトから24時間注文可能です。14時までの注文で、最短当日受け取りなど、家具の注文としてはとても使い勝手が良いです。また、商品によっては、オンライン決済か店舗決済か選べる場合もあるようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。BOPISは実店舗に十分力がある場合や、実店舗のユーザビリティを高めたい場合などに有効です。アフターコロナの中で、店舗受け取りサービスのニーズは高まっていくと考えられます。オムニチャネル化の検討の際には、是非一度検討してみてください。

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実地棚卸とは?実施する理由や注意点、実施の方法について紹介します。

Last Updated on 2021年12月21日 by art-mylogi

商品・製品の販売を行う企業で行われる業務に「実地棚卸」があります。言葉は聞いたことがあると思います。しかし、実際に何をすればよいのでしょうか。ここでは実地棚卸を実施する理由や注意点、実施の方法を紹介します。また実地棚卸と帳簿棚卸がありますが、この2点の相違点と問題が起きた際の解決方法もご紹介いたします。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、
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実地棚卸とは

実地棚卸の読み方は「じっちたなおろし」と読みます。また、英語では「Physical inventory」となります。「Physical」は「物理的」、「inventory」は「在庫」という意味で直訳すると「物理的な在庫」ということになります。
実地棚卸は実際の商品や製品の在庫を数え、手元にある商品量を算定することを指します。単に「棚卸」というと実地棚卸を指すことがほとんどです。

実地棚卸を行う理由

実地棚卸を行う理由は大きく以下の2点です。

実地棚卸を行う理由・在庫の確認
・利益の確認

 ここでは、実地棚卸を行う理由についてご紹介いたします。

実地棚卸を行う理由①在庫の確認

実地棚卸は前述したとおり、商品や製品の在庫を実際に確認することです。実際に確認するということで在庫がデータと差異がないか、商品・製品に傷などの品質の問題がないかなどの確認をすることができます。在庫のデータとの差異は入力ミスや、盗難によって引き起こされるものであり、実地棚卸をすることで適切な管理をすることができます。

実地棚卸を行う理由②利益の確認

在庫は「棚卸資産」と呼ばれ、企業の総資産の大部分を占める資産となります。
会計上では商品として販売されない限り費用である「売上原価」として計上されません。実地棚卸を行い、実際に販売された在庫を確定させることで売上を算出することができます。
棚卸資産の原価総額の売上高を区分し正確な利益を計上するために実地棚卸を行う必要があります。

実地棚卸における注意点

実地棚卸についていくつかの注意点があります。ここでは間違いやすい2点を紹介します。
実地棚卸における注意点・時期や義務
・立会

実地棚卸における注意すべきポイント①時期や義務

実地棚卸行う時期は決算前です。3月・6月・9月の決まった時期に行われることが多いです。しかし、明確な時期の指定はありません。そのため利益を確定しなくてはいけない決算前に行われることがほとんどです。
また、注意しなくてはならないことは明確な時期の指定が無いものの、利益を確定させるために必ず行う義務があります。もし行わなかった場合には納税の金額が正当なものでなくなったり、過剰・過小な在庫になってしまうことになり大きな損失を被る場合があります。

実地棚卸における注意すべきポイント②立会

実地棚卸を行う際は、年に一度監査法人が同席し、棚卸の実施方法が正当であるかを確かめてもらう「立会」が必要になります。これは棚卸の実施方法だけでなく、在庫数量の妥当性、在庫の管理や保管方法の適切性を第三者に確認してもらうことになるため非常に重要です。棚卸立会は通常「期末日」に実施されます。
しかし、経営者が年次の棚卸数量を決定しているか、継続的に記録することを実施しているかに関わらず期末日以外にも行われる場合があります。期末日に行われても、期末日以外に行われることとなっても棚卸資産の管理方法の整備や運用状況の有効性に基づいて、監査上適切であるかどうかを判断します。

実地棚卸の方法

実地棚卸には以下の2つの方法があります。

実地棚卸の方法・タグ方式
・リスト方式

ここでは2つの方法とメリット、デメリットをご紹介いたします。

実地棚卸の方法①タグ方式

タグ方式とは棚卸資産の現物の品目と数量を確認します。その後に棚札(タグ)を現物に貼り付けることで数量のカウントを行う方法です。タグ方式のメリットは現物を確認してから照合を行うため計上漏れの発生が少ないです。デメリットは現物に貼り付けたタグは連番管理が必要になるため手間がかかります。

実地棚卸の方法②リスト方式

リスト方式とは実際の棚卸資産が在庫管理システムや在庫管理表等のリスト上の数量と一致しているかを確認する方法です。リスト方式のメリットはリスト上の一致を確認するため手間が少ないです。デメリットはリスト上の在庫と一致しているかを確認する方法のため計上漏れが発生する場合があります。

実地棚卸で要領良く仕訳を行う方法

実地棚卸を行うことで正確な利益を算出する事を先述しましたが、実際に売上から売上原価を差し引き利益を算出することを「仕訳」と呼びます。仕訳を行うことで何が増減したかを分類することができます。ここでは実地棚卸で要領良く仕訳を行う方法を紹介します。

実地棚卸で要領良く仕訳を行う方法①

「最終仕入原価法」と呼ばれている方法があります。こちらは仕入れ価格を決算日に最も近い仕入れ価格とみなし計算する方法です。仕入れ価格にばらつきがあったとしても一律な仕入れ価格とみなし計上するため非常に簡単に理解ができます。
しかし、期末直前の価格変動の影響を受けやすく適切に判断ができない場合があるというデメリットが存在します。

実地棚卸で要領良く仕訳を行う方法②

「洗い替え法」と呼ばれる方法です。また洗い替え法は低価法と呼ばれ、先ほどの最終仕入原価法とは違い原価と時価を選択できる柔軟性があります。そして、低価法は在庫の市場価値が帳簿価額を下回った場合に下回った額を評価損として計上できるため、その分だけ利益を少なく計上することができます。これにより節税効果があります。
しかし、こちらの方法の場合、時価の把握が困難、計算が最終仕入原価法より複雑になるといったデメリットが存在します。

実地棚卸と帳簿棚卸の相違点

実地棚卸と帳簿棚卸の相違点は、実地棚卸は実際に在庫を確かめるということに対して、帳簿棚卸は仕入れた商品の数から売れた商品の数を引くことで「あるはず」の商品数を計算するという点です。どちらか一方を行えばいいということではありません。帳簿棚卸の方が把握することは簡単ですが、実際の在庫とのずれが生じてしまう場合があるからです。実地棚卸を行う理由の一つである正確な在庫の把握はこのためにあるため、実地棚卸と帳簿棚卸は併用して扱うべき方法です。

実地棚卸と帳簿棚卸の数量が合わなかった場合

実際に在庫を確かめてみると記録漏れや紛失、破損などの人のエラーや、盗難などによる被害によって帳簿棚卸の個数と実地棚卸の戸数が合わなくなる場合があります。この時には実際に確認している実地棚卸を基に帳簿棚卸の戸数を修正することになります。
しかし、数を合わせるだけでは根本的な解決にならないため「棚卸誤差率」という指標を計算します。計算方法は差異の絶対値を実地棚卸後の数値で割り100を掛けて百分率で表すという単純な計算方法になっています。多くの企業ではこの棚卸誤差率を目標を「0.1%」としているようです。

実地棚卸を学ぶ際に参考になる本

実地棚卸を学ぶ際に参考になる本

実地棚卸を理解を深めるためには「在庫とは何か」という事から実地棚卸だけでなく在庫管理の方法までを一冊にまとめている次の本をご参考になさってください。

誰も教えてくれなかった 実地棚卸の実務Q&A
著者:國村 年, 松井 大輔, 大野 貴史
出版社:中央経済社

まとめ

実地棚卸とは在庫管理のために必要な行為ですが、在庫管理だけでなく利益の計上のためにも必要なことです。手間がかかりますが、商品・製品を取り扱う企業であれば必ず行わなければなりませんので効率的かつ効果的な方法をお試しくださいませ。

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低温倉庫とは?常温倉庫や冷蔵倉庫の温度帯、価格相場を紹介します。

Last Updated on 2022年2月16日 by art-mylogi

倉庫の管理において、温度という要素は重要なのにも関わらず、あまり注目されていません。適切な温度管理ができなければ、商品の状態を悪くしたり、出荷ができなくなることもあります。そこで今回は、商品を一定の低温のまま管理する低温倉庫についてその温度帯やメリット、相場の価格について紹介します。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
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低温倉庫とは

低温倉庫は、実は定温倉庫とも呼ばれ、温度や湿度一定に保たれている倉庫のことです。年間を通じて一定の温度に保つことで、温度変化に弱い商品を適切に管理することができます。生鮮食品などを輸送するコールドチェーンにおいては欠かすことのできない倉庫です。農産物や水産物のように、長期間を鮮度を保つことが難しい商品の価格を安定させることに成功しているが、コスト面では通常の倉庫よりも費用がかさんでしまうというデメリットがあります。

常温倉庫、冷蔵倉庫、冷凍倉庫の温度帯

低温倉庫は一定に保つ温度帯によって、3つに分けられます。それぞれの温度帯と特徴を知ることで、効率的な倉庫管理ができるでしょう。

常温倉庫

常温倉庫は常に10℃以上に保たれている倉庫です。一般的に高すぎず、低すぎない温度である10℃~20℃の間に調整されている倉庫が多いです。倉庫業法施行規則でも10℃以下かどうかで常温か冷蔵か分かれています。

常温倉庫は、倉庫内の温度の調整があまり必要ない場合が多いため、比較的安価に使用でき、大きな収容スペースを取ることができます。また、熱には弱いが常温保管が可能な商品など多岐にわたる商品を保管することができます。

冷蔵倉庫

冷蔵倉庫とは、10℃以下の低温で商品を保管する倉庫です。倉庫の分類上は、10℃以下の倉庫はすべて冷蔵倉庫と呼称しますが、ここでは冷凍倉庫と冷蔵倉庫を区別します。というのも、冷蔵倉庫の中でも様々な温度帯があり、保管する商品の性質によって適切な種類の冷蔵倉庫に預けることが重要になるためです。冷蔵倉庫は保管可能温度差によって、以下の7つの等級に分けられます。商品を保管する冷蔵倉庫を選ぶ際はこの等級を参考にして選びましょう。

C3級 10℃~-2℃
C2級 -2℃~-10℃
C1級 -10℃~-20℃
F1級 -20℃~30℃
F2級 -30℃~-40℃
F3級 -40℃~-50℃
F4級 -50℃以下

一般的に「冷蔵」と区分される温度はC3~C1級の間であり、野菜や果物、乳製品などの保管に適しています。

冷凍倉庫

冷蔵倉庫の中でもより低温で保管する倉庫を冷凍倉庫と区分しています。一般的には保管温度がF級以上の倉庫を冷凍倉庫と呼びます。鮮度が重要な食品や、医薬品、化学薬品などもここに保管されます。

冷凍食品やアイスクリーム、肉や魚などを保管するのに適しています。更に低い-40℃以下の倉庫では、冷凍マグロなどの非常に低い温度で管理する必要があるものを保管することができます。ただし、気温が下がれば下がるほど管理コストは上がり、倉庫面積は狭くなるため、適切な倉庫の選択をする必要があります。

低温倉庫のメリット

廃棄ロスがなくなる

ある程度の期間保管できるため、この日に発注が入らなかったために廃棄するというような事象が起こりにくくなります。食品ロスを減らすこともできますし、同時に無駄なコストの削減にもつながります。

商品の品質の向上

鮮度を保ったまま消費者に届けることができ、常温管理の際よりも高品質な商品を提供できます。また、今まで温度管理の問題で扱えていなかったような商品を扱うことができ、販路の拡大と新規顧客の獲得につながります。

低温倉庫のデメリット

コストが高く、倉庫面積に不安がある

24時間低温に保つための温度調節にはシステムだけでなく、人件費もかかるため、低温倉庫の利用は通常の倉庫の利用に比べて大きなコストがかかります。低温に保つための倉庫の面積は小さいほど楽に管理できるため、倉庫の温度が低くなるほど、倉庫の面積は小さくなる傾向があります。そのため、多量の商品を保管するには倉庫を分けたりする必要があり、手間が余分にかかってしまいます。

作業員に負担がかかる

冷蔵倉庫などの低温の倉庫内での作業は、作業員に大きな負担をかけます。長い間冷蔵倉庫に入っていられなかったり、集中が続かないなどの問題があります。そこで最近注目されているのが、自動倉庫です。これは冷凍庫から自動的に機会が商品を取り出してくれて、人間は冷蔵庫の中に入らなくていいような倉庫です。これにより作業の効率化とピッキングのミスを減らすことができました。

低温倉庫のレンタル価格相場

低温倉庫の利用に必要な価格の相場について解説していきます。利用に必要な費用は会社や商品によって大きく変動しますが、ここでは一般的な相場を理解しておくことで、必要経費の計算が可能になり、今後の事業計画の組み立てに役立つはずです。

システム利用料

荷物の種類や個数をはじめ、保管する商品に関するデータを管理するためのシステムのための料金です。費用相場はおよそ2~5万円です。

業務管理料

これは倉庫内での商品管理全般にかかる手数料です。費用相場はおよそ1~5万円です。

保管料

商品を保管するスペースにかかる料金です。保管する場所の単位は企業ごとに異なりますが、1ラック4000~7000円ほどが相場です。

入庫料

商品の仕分けや入庫にかかる料金です。重量や形態にもよりますが、段ボール1個当たり10~30円が相場です。

デバニング料

フォークリフトによるに荷下ろしのための料金です。入庫量とは別途で支払いを求められることが多く、相場は2~3.5万円です。

検品量

入庫する商品に関する問題を事前に確認するための検品にかける費用です。費用相場は一つあたり10~30円ほどです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は低温倉庫についてメリットやデメリット、費用相場について解説しました。低温倉庫の需要は、ECサイトの人気とともに高まってきています。しかし、低温倉庫の利用には、通常の保管費用よりも高いコストが必要になります。そのため、低温倉庫の選択は立地条件やサービスの品質などから、しっかりと検討を重ねる必要があるでしょう。

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