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各業界で大活躍のハンディーターミナル!使い方やメリット、選び方をご紹介。

Last Updated on 2021年9月7日 by art-mylogi

ハンディーターミナルは、物流業界だけでなく小売店やショップでも使われている便利なデバイスです。導入すると、在庫管理やピッキング、工程管理などが効率よく行えて、さらに管理の精度も向上できます。今回は、そんなハンディーターミナルの在庫管理の使い方やメリット、選び方についてまとめてみました。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、
売上改善や業務改善などのコンサルティングを手掛けている。

ハンディーターミナルとは?

ハンディーターミナルとは、簡単に言えば在庫のデータ収集用の端末です。携帯性に優れているのが特徴で、英語表記は「handy terminal」、日本語にすると「携帯端末」です。

読み取れるコードや搭載された機能も様々で、物流業界はもちろん製造業、小売業界など多くの業界で使用されています。

 

ハンディーターミナルの使い方

ハンディーターミナルは、在庫や工程の管理に利用されています。搭載されたレーザースキャンモジュールまたはカメラで、バーコードのバーやその間隔の違いを感知してデータを読み取ることができます。

専用コードの読み取りのみに使われるハンディスキャナとは異なり、バーコードや2次元コード意外にも、文字認識機能を用いて製品に直接印字されたナンバーや、使用期限などの文字列の読み取りも可能です。また、ハンディーターミナル自体にCPUや液晶画面が搭載されており、PCがなくても製品に関するデータを記録・処理することが可能です。販売管理システムにリアルタイムで連携することもできます。

 

ハンディーターミナルで在庫管理

物流の需要が増えてきている中で、多くの商品データを人の手によって帳簿で入力・管理するのは、ヒューマンエラーなどの観点からも無理があります。そこで、製品にバーコードや2次元コードを付与し、ロケーション(棚・列・段)にもコードを付与します。製品とロケーションのコードを読み取り、数量など情報を入力することで、「どの商品がどこにどれくらいあるのか」を管理することができるようになります。

 

商品の入出庫や移動の際にもバーコードを読み取るだけで、正確な管理が行えます。それらのデータは、リアルタイムで確認もできるので適切な管理が可能です。

 

ハンディーターミナルでピッキング

出荷の際に倉庫内に保管された商品を集めるピッキングは、従来では作業員が倉庫内から商品を探していたので、ヒューマンエラーの可能性もあり、スピードも作業者によってばらつきが発生しやすいものでした。

 

そこで、ハンディターミナルを導入します。事前に製品とロケーションに付与したコードをハンディーターミナルに登録し、出荷指示書(ピッキングリスト)にそのコードを記載しておきます。すると作業者は、ピッキングリストに記載されたコードをハンディターミナルで読み込むだけで、目当ての製品の情報とその正確な位置を知ることができます。また、ピッキングの際に製品のコードも読み取ることで、ピッキングと検品を同時に行うことができます。

 

ハンディーターミナルでトレーサビリティをシステム化

近年の安全意識の高まりもあり、製品が「いつ、どこで、誰によって作られたのか」を追跡可能にしておくことが重要になってきています。

 

トレーサビリティーを実施するには、各工程での情報が適切に記録されていることが大前提になりますが、商品が増えれば増えるほど紙に手書きでとはいきません。ハンディーターミナルで各工程での作業の履歴を取り、データを一元で管理することでトレーサビリティーをシステム化することができます。

 

ハンディーターミナル在庫管理でできること

ハンディーターミナル導入による課題解決

コードで製品とロケーションを管理することができるので、各工程での時間の節約とヒューマンエラーの減少を叶えることができます。

また、製品入荷時からコード管理を行えば、製品の情報をリアルタイムで把握・データベース化が可能です。このような情報を活用することで、人員の最適化や工数の最適化も行ってコストを削減することもできます。その他にも、数多くのメリットがあります。

 

その他ハンディーターミナル導入のメリット・日付の管理が簡単

・先入れ先出し管理もできる

・読み取りデータをエクセル等に自動入力

・商品の場所が即時に確認できるので効率的

・棚卸し作業の負担軽減

・トレースフォワード・トレースバックが簡単

・出荷ラベルを発行して即出荷可能

・読み取れるコードの多さ、文字認識も可能

 

 

ハンディーターミナルを活用している業界

ハンディーターミナルはその利便性から、物流業界のみならず、製造業界の生産管理や小売業界での商品管理など幅広く利用されています。

他にも様々な現場で導入されているのでご紹介します。

宅配業界

荷物を届けてくれる宅配業者さんは、配達の際に伝票に印刷されたコードを読み取っています。宅配業界では、ハンディターミナルで納品書との照合やラベル発行などを行っています。また、ハンディターミナルに登録した情報を貨物追跡データべースと連携させることにより、リアルタイムで貨物の所在地、輸送段階を管理しています。

 

精密機器・半導体業界

精度が求められる現場では、検品やピッキングの精度も高くなければいけません。ハンディターミナルを導入することで、各工程での検品・照合の効率をあげることができ管理制度の向上が叶います。

 

食品・薬品・化粧品業界

これらの業界で近年重視されているのは安全基準です。製造日時や商品劣化など、注意して管理しなければならなりません。原料の消費期限データ管理や工程管理の効率化において、ハンディターミナルが役に立ちます。

 

駐車監視員

駐車違反の車両の管理を行う駐車監視員は、放置車両を発見するとその車両の写真を撮影し違反ステッカーを発行します。この時に使われているのがハンディーターミナルなのです。

 

ハンディーターミナルの選び方

ハンディターミナルは搭載された機能や形状、大きさまで機種によって様々です。

・読み取り可能なコードの種類、読み取り性能

バーコードのみ読み取り可能なものから文字認識が可能なもの、また業界独自のコードなど、業務フローに合わせた機能を選びましょう。

近年、金属やプラスチックなどさまざまな製品への直接印字も増加していますが、表面の素材や形状により読み取り精度が変わってきます。必要であれば、このような場面でも対応できるような性能や読み取りスピードなどにも着目しましょう。

 

・通信機能

電波が通り、広い範囲での通信をしたいのであれば無線LAN内蔵タイプ、限られた範囲での作業のみであればBluetooth搭載タイプ、電波の届きにくい環境で無線LANが使いにくいのであれば有線対応タイプなど、現場に合わせて選びましょう。

また、拡張性が高く柔軟に通信手段を選べるタイプもおすすめです。効率敵にもオペレーション的にも、通信速度も重要ですので早いものを選びましょう。

 

・経続使用可能時間、バッテリー容量

ハンディーターミナルは、現場での使用時間が長い端末です。消費電力が大きく、一度の充電で1日持たなかったり、内蔵バッテリーが劣化しやすかったりすると、非効率的ですしランニングコストもかかります。頻繁に充電できない想定であれば、連続使用可能時間が長いタイプや大容量バッテリー搭載タイプを選びましょう。

 

・サイズもや形状も様々

必要な情報量などから、一度に多くの情報を確認する必要がある場合は大型ディスプレイ付き、小規模のショップや長時間の使用が想定される場合は、省スペースで疲れにくい小型軽量タイプが良いなどの判断ができます。

また、タッチパネル式か、どの角度からでもディスプレイの数字が視認できるか、端末が持ちやすいか、キーは押しやすいかなどの操作性も重要です。

 

・落下耐性や防水・防塵機能

長時間使うものですから、一度落としたくらいで壊れてしまっては困ります。しっかりと業界基準の落下耐性をクリアしたものを選びましょう。また、製造業界や物流業界などでは野外や水が飛び散る環境などのハードな使用も想定されますので、防水・防塵機能も欠かせません。

 

・互換性、サポート体制

ハンディーターミナルの導入は安い買い物ではありませんし、機能にこだわって選べば選ぶほど故障した際にダメージは大きいでしょう。そんな時に、メーカーのサポート体制は万全か、その機種の互換性はあるかが重要になってきます。

メーカーによっては互換性を保ちながらシリーズを更新していたり、アフターケアとして技術的なサポートや導入のアドバイスをしてくれたりと、運用時に役立つサービスもあります。

 

実際に現場でどのような課題があるのか、業務フローはどうかなど、目的に合わせて選びましょう。性能や機能が良ければその分価格も上昇します。費用対効果を把握してから検討しましょう。

 

まとめ

ハンディーターミナルについて幅広くまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。今やどの業界でも大活躍のハンディーターミナルは、従来の物流課題を解決に導くソリューションの一つです。これからも、新たに生まれてくるソリューションと組み合わせて、さらに便利になっていくことでしょう。

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4PLとは?3PLや5PLとの違いやサービス提供事例も含めて詳しくご紹介いたします。

Last Updated on 2022年2月16日 by art-mylogi

物流業界において、現在4PL(Forth Party Logistics)が注目されています。

4PL(Forth Party Logistics)は経済界全体の物流問題を解決する鍵になりうる新しいビジネスモデルと言われています。
本記事では、4PLとは何かや3PL、5PLとの違いなどを実際に4PLサービスを提供している企業事例も交えながら詳しくご紹介いたします。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
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物流業界ににおける4PL(Forth Party Logistics)

物流における4PL(Forth Party Logistics)とは、元々あった3PLの概念に、ロジスティクス戦略の企画や推進を行うコンサルティング要素が加わったビジネスモデルを指します。
4PL(Forth Party Logistics)は荷役や輸送コストだけでなく様々な点で改善を行うことができます。
荷主に代わり、企画の作成から業者選定まで様々な業務を実行するため、荷主企業に対してきめ細やかなサービスとコンサルティングの能力が要求されます。

また、荷主の付加価値向上だけでなく、物流業者の経営方針や活動成果を投資家に対して伝えていく枠組みとしても利用されています。

物流における3PLと4PLの違いとは

現場運営を中心に実行していくのが3PLです。
一方、4PLでは顧客視点でのロジスティクス戦略の策定などを行って行くため、物流コストの低減に対するスタンスにおいて差異が生じます。

3PLにおいては、顧客の物流コストが事業者にとっての利益となる為、業者側から改善案を提示しづらいと言えます。
しかし、4PLでは、顧客に対して利益を重視した提案が可能な為、自主的な改善案を提案しやすいビジネスモデルになっています。
そのため、物流業務の改善だけでなく、経営方針に基づいて根本から企業課題を解決することが可能です。

物流における4PLと5PL の違いとは

5PLは、4PLにAIや自動運転といった最新のテクノロジーが加わったビジネスモデルを指します。
顧客視点でのロジスティクス戦略を提案する4PLに対して、AIや自動運転などを導入することで物流業務を大きく効率化することが可能です。

4PLサービスを提供している物流業者

ここでは、4PLサービスを提供している物流業者をご紹介いたします。
上述しましたが、4PLは顧客に対してコンサルティングも行う必要があるため、3PLサービスを提供している物流業者に比べて数が限られてしまいます。

東芝ロジスティクス

東芝ロジスティクスは、「ナンバーワン4PLカンパニー」というビジョンを掲げサービス提供を行っています。
東芝ロジスティクスでは、従来の「3PL」のようにロジスティクスを一部門として外部委託するのではなく、開発から販売まで経営の中に4PL担当者が積極的に関与し問題を解決に導いてくれます。そのため、SCM全体の最適化を実現することが可能な点も大きな特徴と言えるでしょう。

アクセンチュア

アクセンチュアでは、2000年代前半から、3 PLの課題を解決するソリューションとして、「4PL」を提案し。実際に成果を上げています。「4PL」を導入するにあたって、サプライチェーンに関する目標設定や関連業者間での資金面でのビジネススキームの構築など様々な課題があります。
これはコンサルタントが得意とする分野である為、「4PL」はコンサルティング会社と3PL業者が連携することによって、付加価値の高いサービスを提供することが可能です。

4PLサービスを導入する上での注意点

4PLサービスでは、ロジスティクス戦略の企画や推進も含めた物流業務の領域をカバーすることが可能です。
一方、社内や協力会社との調整や顧客側でのみ実現可能な領域も存在する点も注意しなければなりません。
そのため、4PLサービスを提供している企業と顧客がしっかり連携していくことが必要になってきます。

まとめ

本記事では、4PLについてご紹介致しました。
4PLでは、サービス提供者と顧客側が密に連携をとって進めていくことが重要になります。
この記事が4PLについて詳しく知るきっかけになれば幸いです。

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リードタイムが示すのは?短縮方法やメリット・デメリットもご紹介!

Last Updated on 2021年9月8日 by art-mylogi

製造業や流通業では日々の業務をSCM(サプライチェーンマネジメント)にのっとって行っていますが、このSCMに必要不可欠な考え方が「リードタイム」です。リードタイムは納品スケジュールなどを立てる際に重要になってきますが、いまいちよくわからないという方もいるのではないでしょうか。今回は、そんなリードタイムについて、「納期」との違いや関連語彙の説明、リードタイムの種類や特徴も交えながら、短縮方法や短縮した際のメリットと注意点について解説します。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
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リードタイムとは?関連語彙も解説!

リードタイムとは、製造や流通、開発の現場において、発注から納品までにかかるすべての工程に必要な時間のことです。「すべての工程に必要な時間」ですから、ここには、実際の作業時間のみならず、作業開始までの待ち時間や点検・検査の時間なども含まれます。

主に、オペレーション品質のスピード面を測る際に、利用される指標ですが、事業の日程計画を立てる際にも、使われる考え方です。また、立場によってもこの概念は少し変化します。リードタイムは買い手側からみれば、「発注から納品されるまでにかかる時間」、売り手側からみれば、「受注から納品するまでにかかる時間」となります。

リードタイムの類語

リードタイムの類語としては、所要時間、開発期間、調達期間、製造時間、移動時間、などがあります。

英語では「lead time」として、ほとんど同じ意味で使われますが、ビジネスシーンでは「L/T」と省略されることもあります。

「納期」とは違うの?

似たような言葉に「納期」があると思います。しかし、リードタイムを納期と同じ意味で使ってしまうのは誤りです。

リードタイムが示すのは、発注から納品までの「期間」ですが、納期が指すのは、納品の「期限日」となります。従って、商品の納品について、「〇営業日」・「〇日間」とあればリードタイム、「〇月〇日」とより具体的な日付であれば納期を指していることになります。

タクト・タイム、サイクル・タイムとは?

タクト・タイム

タクト・タイムとは、生産の「リズム」を決める基準値で、「ピッチタイム」とも言います。お客様の、「何個の製品をどれくらいの期限内に納品してほしいのか」、という需要から計算します。

簡単に言えば、「実際に稼働できる時間の合計÷必要数量」で表すことができ、休憩や待ち時間を除いた実際の稼働時間を、必要数量で割ることで、製品1つをどのくらいで作らなければならないかを求めることができます。

工程作業時間がこれを超えてしまった場合は、生産の遅延によりお客様の需要に応えられない、という判断基準になります。

サイクル・タイム

一方で、サイクルタイムとは、実際にその工程の初めから終わりまでの1サイクルにどれくらいかかるかの実際の時間になります。計算式でいえば、「合計実稼働時間÷生産数」となり、タクトタイムと比べることで、お客様からの注文に間に合いそうかどうかを判断することができます。

リードタイム区分別!短縮方法

リードタイムの短縮には、設備の導入や、人員の増加などの方法が考えられますが、これは各工程にかかる処理時間を短縮するための投資です。

日本の製造業では、リードタイム全体に対する滞留時間の割合は約8割だと言われており、この滞留時間の短縮を検討するとリードタイム全体の短縮にも効果があるとされています。

また、リードタイムは、工程ごとに分解して考えることもでき、考えられる短縮方法も様々なので、基本的なものをいくつかご紹介します。

開発リードタイム

開発リードタイムとは、商品企画やコンセプトの検討・決定から、それらを商品の形に仕上げていく過程にかかる期間のことです。どのような技術や材料を使うのか、資材の調達方法や、生産を発注する工場の決定などもここに含まれます。開発リードタイムを短縮することができれば、タイムリーに市場に商品を投入することが出来ます。しかし、開発リードタイムを無理に短縮しようとすれば、工数や人員を増やさなければならなくなり、かえって開発費増額なんていう結果にもなりかねません。

・仕入れ先の見直しや、優先順位をつける。

・部品の共通化など製品やサービスに共通化できる部分を増やす。

などの方法で、調整・対応していくことが可能です。

調達リードタイム

調達リードタイムは、商品企画に沿った材料を調達し、納品や検査なども含めて、生産現場の納入要求に対応できるまでの時間を指します。材料の調達は、自社生産の場合や、外注により調達する場合がありますが、特に海外の会社などに外注する場合は、その運搬にかかる時間にも注意しなければなりません。

また、調達する品が製品であれば、調達先での生産リードタイムも含める必要が出てきます。調達リードタイムの遅延及び短縮は、納品リードタイムにも直結して影響を及ぼします。

・取引先企業に改善点を指摘するなど、企業間での調整。

・自社内での調達であれば、社内で改善点の作成や調達計画の見直しを行う。

上記の方法はシンプルですが、綿密に立てた計画通りに進むことこそが、調達リードタイム短縮においては最も効率的なのです。

生産リードタイム

資材の調達の後、工場では生産が開始されます。そこから、製造工程を経て必要数の製品が出来上がるまでの期間を生産リードタイムと言います。もちろん、実作業時間だけではなく、滞留時間なども含まれます。生産リードタイムにおいても、自社で生産が完結する場合と、社外生産の工程が一部含まれる場合などがあります。

生産リードタイムを短縮するためには、工程の処理時間の短縮のみならず、工程間の滞留時間を省くことも重要になってきます。原材料の調達待ちや、仕掛在庫の管理などをうまく管理できるかどうかが、生産リードタイム短縮のカギになると言えます。

・人員の増加、再配置

・機械・設備の更新

・生産計画・各作業計画の見直し

単に人や機会を増やし工程処理時間を短縮するだけでなく、細分化した作業工程それぞれの生産計画を最適化することが重要です。

配送リードタイム

配送リードタイムは、工場で商品が出来上がってから、実際に発注先に納品するまでの期間です。商品輸送だけでなく、検品や入出庫、納品先の仕分けなど、いろいろな業者や人が関わってくる段階となります。

・倉庫管理を見直す。

・検品や梱包など出荷前作業を効率化する。

・配送ルートの最適化を行う。

特に配送に関しては荷待ち時間などの待機時間の最適化が重要になってきます。

現在におけるリードタイムの重要性

リードタイムの短縮の重要性が増してきている背景には、ネットショッピングなどの台頭があると言えます。ネットショッピングには、「すぐに届く」という強みがあります。当日配送サービスなども広まっている中で、物流におけるリードタイムの短縮の必要性が増してきたのです。今後も、ECやネットショッピングの需要の高まりとともに、物流リードタイムの短縮は求められていくと考えられます。

リードタイムを短縮できた際のメリット

収益向上

より多くの注文を短時間で処理することができれば、発注→納品の回転率が上がりより多くの利益を見込めます。発注者や購入者にとっても、必要なものが必要なだけはやくに手に入るということは、満足度の向上に直結し、次回からの受注機会の増加にも繋がります。

また、調達から納品までの期間を短縮できるため、倉庫内の在庫を現金化するまでの期間を短くできます。キャッシュフローの改善が見込まれ、事業の成長にプラスに繋がるでしょう。

在庫管理コストの削減・過剰在庫を抱えない!

まず、在庫が増えてもすぐに納品につなげることができるので、保管スペースの節約や、保管作業・保管人員を減らすことが可能です。

また、過剰在庫を抱えることもないので、棚卸などの作業もミスを減らしたうえで、素早く少人数で行うことができます。また、製品や部品を倉庫に保管しておく時間が減ることで、品質劣化を防ぎ、生鮮食品であれば鮮度を保ったまま、納品に至ることが可能です。

リードタイムの短さが、そのまま事業の強みになる

発注があってから、素早く納品することで、発注先の満足感を向上させ、信頼感も醸成されるため、その後の受注や関係性にも好影響を与えることができるでしょう。

また、確立した「リードタイムの短さ」という評判は、そのまま自社事業の強みとなり、競合他社との差別化にも繋がります。

作業計画の精度UP・問題点の可視化

リードタイムの短縮を目指し、各工程の作業計画を見直すことで「どこに問題があるのか」が見えてきます。そこで無駄を省き、問題を解決していければ、今後の作業計画の精度向上につながります。また、開発・調達・生産・配送それぞれの段階で、どこにリードタイムを長くさせている要因があるのかを把握することができます。

ビジネスチャンスを逃さない

リードタイムを短縮させることで、市場のニーズに対してスピード感を持って対応していくことができます。需要のある商品を、適切なタイミングで市場に投入できるという点は、事業の大きな強みになります。

リードタイム短縮を目指す際の注意点

リードタイム短縮のため、計画を立てていく際に注意しなければならないポイントを説明します。特に、作業計画改善の際に気を付けなければならないのは、リードタイムの短縮が目的になってしまうことです。効率重視になりすぎて、品質を落としてしまっては、かえって事業に悪影響を与えかねません。実現可能な計画を、現状の問題に合わせて立てていきましょう。

小ロット生産のリスク

部品や製品の入出庫の流れをよくすることで、在庫を抱えなくて済みますが、万が一生産停止などになった場合、在庫が少ない分はやくに事業をまかなえなくなってしまいます。生産停止に至るようなトラブルとは、取引先の営業停止なども考えられますが、そのほかにも災害や、海外との取引があれば国際情勢など、絶対にないとは言い切れない要因が多いのも難しい点です。

また、需要と物流の回転率のバランスがとれていればよいのですが、例えば需要が急増した場合などに、自社に在庫があればそこで収益を見込めますが、在庫がなければまた発注から納品までの時間がかかってしまいます。市場予測や、追加発注におけるリードタイムの短縮などで対応可能かもしれませんが、在庫リスクを最少にしつつも、リードタイムを最短にできるように調整しましょう。

品質の低下

作業を止めないことを優先してしまい、作業工程の手抜きやミスを招く可能性があります。不良品が増えれば、リードタイムも伸びますし、もちろん自社への信頼も失ってしまいます。作業計画を見直す際には、人材不足やスキル不足なども考慮し、無理のない計画を立てましょう。現場の状況を把握し、現実的な変更にすることが大切です。

まとめ

リードタイムの短縮を目指し作業計画を見直すには時間がかかるかもしれませんが、そこで確立した最小限のリードタイムは自社の財産になります。多くのIT企業がリードタイム短縮のためのソリューションを開発していることからも、リードタイム短縮の需要が高まっているのがわかります。現場に即した生産計画を立てて素早く市場に適応していきましょう。

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