物流におけるロット管理とは何か。
今回はロット・ロット管理について細かくまとめてみました。
物流におけるロットとは?
ロットとは同じ種類の商品を大量に生産する際に最小単位として用いられる言葉です。
これは一般的に取り決めはなく、自社で決定した数を1ロットとして考えることができ、このような言葉を用いることで、大量の製品を扱っていても需要と供給のバランス絵を維持する事に役立っています。ロットは商品の種類に関係なく、生産管理を行う時に必要不可欠な用語となっています。
ロットの使い方
ロットは製造、販売、管理の各工程において使い方が大きく分けて4種類存在します。
それぞれをまとめてみましょう。
製造ロット
製造作業は余剰在庫や人件費・原材料費の削減において重要な役割を持ちます。
需要や受注量をしっかり把握した上で、計画的に製造していく必要があります。
このような計画的に製造していくにあたって基準値とするのが『製造ロット』です。
購入ロット
商品が取引先へ販売されていく際に、自社で取り決めたり、取引先から指定されるなどの方法で決められたロットの事を『購入ロット』と言います。
この購入ロットは取引先との関係に大きく関わってきて、これもまた効率的に利益を生み出していくために重要で、例えば、販売価格を安くしてその分購入ロットを多くするなどの調整をすることができます。
最小ロット
最小ロットもまた自社で設定できたり、購入者側の意図を汲み取って設定する必要があります。
例えば、もし取引先に最低100個の商品を販売する必要がある場合、その商品の最小ロットは100個となります。
また、購入ロット同様販売価格との関係性は深く、販売価格の変動に合わせて最小ロットの設定を取引先と交渉することもできます。
ロット管理
製造から販売までの中でこのようにいろいろな呼び方がある『ロット』。
特に流通量の多い商品に関して、管理を円滑に行わないと、思わぬところで損失を生んでしまいます。
ロット管理とは?
在庫におけるロット管理とは商品の仕入れから出荷までの製造単位を管理するという事で、
この管理業務によって生産ラインだけではなく倉庫においての保管業務にも役立ちます。
基本的に同一条件のもと生産された単位のことで、明確に『1ロットいくつ』と決まっているわけではありません。
生産量や流通量が多い商品は量の管理難易度が高いので、ロット管理をする必要があります。
トレーサビリティの概念
トレーサビリティとは、トレース(追跡)とアビリティ(能力)を合わせた造語で、日本語では『追跡可能性』と表現されます。ロット管理をしていく上で、トレーサビリティーの構築が重要な鍵となってきます。例えば、商品の品質不良などの問題が発生した時、生産側は直ちに適切な処置を取る必要があります。そんなシチュエーションにおいてトレーサビリティが明確であれば、初品の原材料や部品の使用実績まで遡って原因究明し、問題解決の糸口を見つけていくことができます。
また、各製造過程においてもトレーサビリティーのデータを基にすることで、効率的な生産管理や品質管理を実現し、最適な作業フローを構築することができます。
チェーントレーサビリティーと内部トレーサビリティー
トレーサビリティーには大きく2つの捉え方が存在します。
簡単にまとめるとチェーントレーサビリティーは複数のメーカー間での製品の移動を追跡するサービスで、
内部トレーサビリティーとは1つのメーカー内での同一単純製造作業の中で追跡をするサービスです。
チェーンサビリティーが確立している場合生産者は自分が製造したものがどのルートでいつ出荷または消費されたのかなどを追跡することができます。
その一方内部トレーサビリティーは製造する工場などの特定の現場で商品の部品や原材料の追跡を可能にします。
ロット管理のメリット
それでは実際にロット管理を行なっていく上での具体的なメリットをまとめてみましょう。
最低生産個数の確定によりコスト削減
まず最低生産ロットを決めます。これにより余剰在庫による作業効率の下降や商品品質の劣化などを防ぐことができます。最低生産ロットを設定する事により無駄な生産を抑え、コスト削減を実現できます。
ロット番号をつけることで工程管理がしやすくなる
商品や製品をロット番号を付け細かく分類して、製造から消費までを一元管理することができます。
これにより特定の商品がいつどこにどれだけ出荷されたのかを把握することができます。
また、古い商品を把握することで、先入先出しなどの在庫管理にも対応できます。
不良品を特定しやすい
例えば、ロット番号をそれぞれの商品に付けていれば、取引先から不良品の連絡があった場合も同じロット番号が付いている商品は全て回収することができます。このようにトラブルに対して迅速な対応し、トラブルを最小規模に収めることができます。
ロット管理票を作成する
ロット管理票とはその名の通りロットを管理するための票で、在庫の状況を一目でわかりやすく可視化したものです。このロット管理票はEXCELなどを使って作るのですが、それには『基本的なEXCEL操作や機能・関数の使い方把握』『データ処理に関してテクニカルに熟す』などのスキルが必要となってきます。
ロット番号表記の見方
ロット番号のほとんどはアルファベットと数字の組み合わせで作られています。
これらは製造固有のロット番号、製造年、製造月、製造日、加工回数などを意味する場合が多く、
各会社や各製品によって番号の表記ルールは変わってきます。
例えば以下のように読み取ることができます。
ロット管理のやり方
ロット管理の方法・手段をまとめてみました。
ロット番号を基準に保管作業
ロット番号を印字し、商品に貼っていきましょう。
同一ロットごとにまとめて保管できれば効率も良く整理整頓された作業環境を作ることができます。
このロット番号の印字と貼り付けは手間がかかるものなので、ロット管理担当者の負担を減らせるよう、明確な役割分担を心がけましょう。
在庫管理システムを導入する
以上のようにロット管理には様々な工程があり、その一つ一つに慎重になる必要があります。
その場合、人的ミスが発生しやすくなってきてしまうので、リスクヘッジのためにも在庫管理システムの導入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
入出庫そる物品を一元管理でき、データ入力作業などの手間も省くことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ロット管理を順序良くしっかり行えば、削減できるコストやリスクがあります。
また、売上向上にも繋がるので、ぜひこの機会に今一度ロット管理方法の見直しや管理システムの導入などをご検討いただければ幸いです。
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